会社でコピー機・複合機を契約する場合、主に2種類の契約が発生する。
コピー機本体代金の支払いに関わる「リース契約」と、コピー機のランニングコストに関わる「保守契約」という、2つの契約じゃ。
これらは毎月発生する支払いとなるが、それぞれ全く別の意味を持ち、請求元も異なる。今回はそれぞれの注意点をご説明しよう。
リースで導入できる、ただ今のおすすめコピー機・複合機
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コピー機・複合機のリース契約の注意点
法人でコピー機・複合機を導入する際には、「購入(買取り)」「リース」「レンタル」といった選択肢があるが、今回は最も需要が多く契約で注意が必要な「リース」について、まずはメリット・デメリットの観点からご説明しよう。
リース契約のメリット
- リース料金は経費扱いできる。
- 初期費用がかからない。
- 原価償却や固定資産税が発生しない。
- レンタルよりも毎月の支払い金額が安い。
- 新品の最新機種を導入できる。
- 支払い料金は毎月固定なので管理しやすい。
リース契約のデメリット
- 途中で解約できない。
- リース会社の審査が必要。
- 中古のコピー機・複合機には適用できない。
- 購入(買取り)よりも高額になる。
リース契約にはこのようなメリット・デメリットがあるが、会社としては「初期費用のまとまった現金が必要ない」「経費処理できる」「原価償却や固定資産税が発生しない」ことから需要が多い。
リース契約で特に注意すること
- 途中解約ができない。
- 法人しか適用できない。(個人はリース契約不可)
- コピー機本体の所有権はリース会社にある。
- 中古コピー機には適用できない。
ただし、「途中解約ができない」ことや、「所有権はリース会社にある」という点には注意していただきたい。
特に途中解約ができないので、リース契約期間(一般的には5~6年)は毎月の固定料金支払いが発生するため、長く使うことを念頭に置いておこう。
どういったケースにおすすめ?
コピー機や複合機のリース契約は、導入費用や毎月のランニングコストを抑えたい場合におすすめじゃ。
また、最新の機種を使って業務効率化を目指したいときにもリース契約が適するじゃろう。
管理事務処理、保険加入など安心して利用したいときもリース契約がおすすめだぞ。
リース契約についてもっと詳しく調べるなら『コピー機・複合機のリース契約特集』をチェックしよう。
コピー機・複合機の保守契約の注意点
そしてもう1つの契約が、この「保守契約」である。分かりやすく例えると保守契約は「保証や保険」のようなイメージじゃ。
また、保守契約には「カウンター保守契約」、「スポット保守契約」、「キット保守契約」、「年間保守契約」の4つの種類があるので覚えておきたい。
カウンター保守契約
カウンター保守契約とは、コピー機や複合機の本体のリースとは別にカウンター料金が設定され、印刷枚数によって月々の保守料金が変わる契約じゃ。
カウンター保守契約では、最低料金が設定されているため全く使用しない月も費用が発生する。
コピー機や複合機のリース契約をする企業の約8割は、カウンター保守契約を行っているぞ。
もっと詳しく保守契約について調べるならば『保守契約とは何ですか?コピー機導入時には加入しなければいけませんか?』でご説明しているので参考にしていただきたい。
カウンター保守契約の特徴
- 一枚あたりの印刷に単価が設けられている。
- 月に一度、カウンター料金を保守業者に支払う。
- トナーは無料。(厳密には印刷単価に含まれている)
- 修理費用も無料。(同じく全て含まれている)
このように、保守契約には一枚印刷する度に料金が発生する。コンビニなどで10円コピーなどあるがそれと同じイメージじゃ(料金はもっと安い)。
カウンター保守契約の注意点
- 新品コピー機の場合は加入必須。中古コピー機の場合は加入任意。
- カウンター契約はいつでも解約できるが、再契約は基本的にできない。
- カウンター料金は一度契約したら変わらない。
- 販売店によりカウンター料金の単価は異なる。
- 用紙が含まれるかは販売店により異なる。(基本的には含まれない)
保守契約は「加入必須」だが、中古コピー機においては「加入任意」なので、ご自身の利用環境に合わせてよく販売店と相談をしてみると良いぞ。
カウンター保守契約の費用相場
カウンター保守契約の費用相場は、機種の機能などにより異なる。
| コピー機の性能 (印刷速度) |
![]() 15枚~ |
![]() 20枚~ |
![]() 30枚~ |
![]() 40枚~ |
![]() 50枚~ |
|---|---|---|---|---|---|
| 月間印刷枚数 | ~1,000枚 | 1,000枚 ~3,000枚 |
3,000枚 ~6,000枚 |
6,000枚 ~10,000枚 |
10,000枚 ~30,000枚 |
| カウンター料金 (カラー/モノ単価) |
カラー:20円/ モノ:3円 |
カラー:18円/ モノ:2円 |
カラー:16円/ モノ:1.5円 |
カラー:14円/ モノ:1.3円 |
カラー:12円/ モノ:1.2円 |
| リース料金相場 (月額) |
5,000円~ | 10,000円~ | 17,000円~ | 20,000円~ | 22,000円~ |
| コピー機本体の相場 | 30万円 | 60万円 | 90万円 | 110万円 | 120万円 |
以上のような費用相場を目安にカウンター保守契約を検討するのじゃぞ。
より詳しい説明は『カウンター保守契約とは何ですか?』で詳細にご説明しているので、こちらをご覧いただきたい。
スポット保守契約
スポット保守契約は、コピー機や複合機に不具合が生じたときにその都度、有償修理をする契約じゃ。中古機種のリース契約をするときに適用する保守契約のため、一般的には聞き慣れないじゃろう。
スポット保守契約の特徴
- 修理や部品交換が必要なときに、その都度業者に依頼する
- 費用はその都度払い(定額のメンテナンス費用はかからない)
スポット保守契約は、修理や部品交換の必要があるときにその都度業者から対応してもらう。その際にかかった費用は、その都度、支払うことになるのじゃ。
定額費用がかからないため、トラブルが頻繁に発生しなければ余計な出費を防ぐことができるぞ。
スポット保守契約の注意点
- 修理費用が割高になる
- 主に中古品を対象とした契約形態である
スポット保守契約は一見すると、安く利用できるイメージがある。しかし、現状は修理の現状が見えにくく、修理費が割高になるケースも考えられるのじゃ。というのも、リースする機種が中古品であることが多く、部品や消耗品の料金が機種によって大きく変わるからだ。
場合によっては中古機器を購入した方が安いこともあるくらいじゃ。壊れるまでならOKという場合はスポット保守契約でもいいじゃろう。
スポット保守契約の費用相場
前述のとおり、スポット保守契約はケースバイケースでかかる費用が異なる。そのなかで、ひとつの例を取り上げよう。
印刷時に縦に黒い筋が出てしまった
→感光体ドラムに異常が見られ、交換が必要となった。
実費による修理費用
- 出張費:18,000円(1回)
- 作業費:6,000円(30分)
- ドラム代:50,000円(1本)
- 予備トナー代:15,000円を4本分
- 合計:134,000円
メーカーや機種により異なるが、トナー代やドラム代は割高でありカラーコピーの場合は何本か購入する必要があるのじゃ。
キット保守契約
キット保守契約とは、本体のリースとは別にトナーを購入する契約じゃ。トナー料金には保守費用が含まれていて、トナーキットの購入の度にメンテナンスが実施される契約となる。
キット保守契約の特徴
- 5年間またはトナー残量がなくなるまで保守契約が有効
- トナー利用期間中の修理費用はかからない
- トナーは正規店でしか購入できない(汎用品は存在しない)
キット保守契約のメリットは、コピー機を使わなくてもトナーを使っている間なら5年間は修理が無料となるところじゃ。
さほど使わなければ、相対的なランニングコストも安くなる。1日20枚程度までしか印刷しなければ、キット保守契約の恩恵を受けることができるじゃろう。
キット保守契約の注意点
- 解約時の意思表示はいらない(トナーの買い直しがなければ自動解約扱い)
- 原則として定期的な検診サービスはない
キット保守契約はトナーの買い直しがあれば契約は続く。定期的な検診サービスは基本的にないため、トラブルが急に発生する可能性もあるじゃろう。
キット保守契約の費用相場
トナーとドラムがセットで4~万円の費用相場となっている。新品、中古ともに費用相場はさほど変わらない。
トナー1本あたり約5,000枚の印刷が可能であり、月間500枚ほどの印刷枚数ならば、月額4,000~7,000円かかる計算じゃ。
年間保守契約
年間保守契約は、定期メンテナンスや修理対応を年単位で契約するものじゃ。トナーなどの消耗品はその都度購入することになる。
年間保守契約の特徴
- メーカーとの直接契約になる
- トナーは実費負担
- 製品の購入時は1年間の無償で付帯
- 最大5年間の自動更新も可能
年間保守契約は、家電量販店で機器を購入して保証をつけてもらうような保守形態じゃ。そのため、どこで機器を購入しても同じ保守内容となっておる
年間保守契約の注意点
- 契約延長の申請をしないと自動解約となる
- メーカーの純正品以外のトナーを利用すると保証対象外になる可能性がある
- 契約を結べるのは1度のみ
年間保守契約はメーカーとの直接契約となるため、修理を受けるには純正品のトナーを購入する必要があるぞ。
また、契約は基本的に1年間であり、更新のタイミングを逃すと年間契約が結べない点も注意が必要じゃ。
年間保守契約の費用相場
年間保守契約は、トナーや消耗品費がかかり年間20,000~30,000円程度と考えておくといいだろう。
リース契約は「本体代金」、保守契約は「保険料」
毎月支払いがあるためよく混同されてしまうが、リース契約と保守契約は上記の通り全く別の意味で支払いが発生している。
リース料金は本体代金の分割支払いで、保守料金は意味合い的には「保険料」という名目が近いので混同されないようご注意いただきたい。
その理由は、いざ経費削減をしようと切り詰めて考えた場合、コピー機・複合機一つとっても「リース料金を下げる」方法と「保守料金を下げる」方法があり、内訳が分からないと、どちらの料金が下げられる余地があるのかがハッキリ見えないためだ。
コピー機・複合機の経費削減方法の一つ『複合機の高額なリース料金とカウンター料金を安くする手順』では、より具体的な方法をご説明している。
もし、あなたが今、コピー機の経費で悩んでいるのであれば『無料相談窓口』で現状のリース料金と保守料金、そして使っているモデルと契約開始時期を伝えていただければ、今よりも経費削減できるのかを無料診断することもできるので、ぜひご活用いただきたい。




